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【マイホーム計画 #08】請負契約してきたぞ!契約時にこれだけは確認しておけ的なやつ。

先日、ついにハウスメーカーと工事請負契約を結んできました。

土地探しから約半年。長いようであっという間でしたが、いざ目の前に数千万円が動く契約書を突きつけられると、さすがにペンを持つ手が湿ります。人生で一番高い買い物、とはよく言ったものです。

ただ、これから家を建てる人に言いたいのは、ビビる必要はないということ。
契約の本質と、こちらが不利にならないための「防衛策」さえ知っていれば、この署名は夢へのチケットになるわけです。

今日は、形式張った解説は抜きにして、私が実際に契約の場で何を感じ、どうやってハウスメーカーと渡り合ったのか。その生々しい実体験を書き残しておこうと思います。

数千万の買い物なのに「モノ」がない、という違和感

まず、最初に理解しておくべきは、私たちが結ぼうとしているのが「売買契約」ではなく「請負契約(うけおいけいやく)」だという点です。

スーパーで大根を買うのとはわけが違います。目の前に商品はなく、あるのは図面と「約束」だけ。
施主である私たちは「図面通りに完成したら金を払う」と言い、ハウスメーカーは「必ず完成させる義務を負う」と誓う。これが請負契約の正体です。

つまり、オーダーメイドの特注品を発注するわけです。
だからこそ、契約書にハンコを押した瞬間に「あ、やっぱここ変えたい」が通用しなくなる恐怖があります。この構造を理解していないと、営業マンの「契約後でも変更できますから大丈夫ですよ」という甘い言葉に殺されます。

「とりあえず契約してから決めましょう」はクソです。

契約前に私が徹底したのは、「曖昧さを消すこと」でした。

多くのトラブルは「言った言わない」か「想定外の追加費用」から生まれます。
だからこそ、まだ契約もしていない客の分際でハウスメーカーには徹底的に時間を割かせました。特にこだわったのは以下の3点。

1. 間取りは「ほぼ完成形」まで追い込む

「契約後に詳細を詰めましょう」という営業トークは、半分嘘だと思ったほうがいいです。
契約後に坪数が増えれば、当然のように数百万円単位で金額が跳ね上がります。「坪単価いくら」という明朗会計なパッケージ商品ならまだしも、注文住宅において契約後の変更はこちらの足元を見られる格好の材料になるわけです。

私が契約した会社は設計士が同伴してくれる打ち合わせのスタイルだったので、自分が納得するまで間取りを書き直させました。
「この間取りなら住める」と確信してからでないと、契約書にサインしない方が良いです。

2. 「冬は暖かいですよ」という感覚値を絶対に許さない

営業マンの「暖かい家になりますよ」ほど信用ならない言葉はありません。
暖かさや強さは、すべて数値で語らせるべきです。

契約の条件として、断熱等級6耐震等級3の確約を迫りました。
これからの日本の夏はもはや災害レベルの暑さなの確定してるじゃないですか。断熱等級6(G2性能)相当の性能がない家は、ただの蒸し風呂になります。そして南海トラフ地震のリスクを考えれば、耐震等級3以外の選択肢はありません。
予算がある方は制振ダンパーを入れてもいいくらい。

ここで重要なのは、「等級3相当」という言葉に騙されないこと。
正式な認定を取るには申請費用がかかりますが、それをケチってはいけません。できれば構造計算もしっかりした「許容応力度計算」で行っているか確認し、Ua値(断熱性能)の概算シミュレーションも出してもらいましょう。
大体3種類のHMがあります
①耐震等級3取得が標準(ある程度理想だが、性能表示という計算が多い)
②耐震等級3相当の性能だが申請日がかかるのでやらないパターン
③耐震等級を蔑ろにしている会社

③の場合はもう契約する必要すらないので別の会社を探しましょう。施主の命を粗末にしてると言っても過言ではないです。
重要なのは②のパターンです。①は3取得してくれてるので一応必要な要件は抑えてあります。
②の中にも、実際に許容応力度計算までして3相当ならOKです。むしろ親切。
許容応力度計算すらせず、申請もしないのに3相当を謳ってるのであればクソ会社の可能性があるので
契約前や打ち合わせの段階で
「3の取得は可能ですか?」
「取得費用はいくらですか?」
などの具体的な話を詰めていきましょう。
※この耐震等級についてはYoutubeで調べればいくらでも出てきます。

数字が出せないなら契約しない。それくらいの強気な姿勢でちょうどいいのです。

見積もりの甘さは、未来の自分への借金になる

契約後のトラブルで最も多いのが「予算オーバー」です。
これは契約時の見積もりが、最低限の「標準仕様」で作られていることに起因します。

私の場合、ここでもかなりリアルな数字を積み上げました。
例えばキッチン。標準仕様のままで満足できるならいいですが、ショールームを見て目が肥えてしまうと、ハイグレードなキッチンや海外製の食洗機を入れたくなるのが人情です。

実際、私が選んだ仕様で見積もりを取り直すと、標準仕様からの差額だけでこの有様でした。

【現実の課金リスト(税込)】

  • ・キッチン変更差額:+260万円
  • ・お風呂グレードアップ:+70万円
  • ・トイレ変更:+35万円

水回りだけで約365万円UP

もしこれを契約後に知らされていたらと思うとゾッとします。
外壁をタイルにしたい、床を無垢のウォルナットにしたい(私はウォルナット床で+70万でした)。そういう欲望があるなら、すべて契約前の見積もりにぶち込んでおくべきです。

「もしも」の時の命綱を用意する

最後に、絶対に忘れてはいけないのが「住宅ローン特約」という命綱です。

これは、「もし住宅ローンの本審査が通らなかったら、契約を白紙に戻して手付金も全額返してね」という約束です。
特にネット銀行を利用する場合、事前審査が通っていても本審査で落とされるケースが稀にあります。この特約がないと、家は建たないのに違約金だけ取られるという地獄を見ることになります。

土地の契約でも建物の契約でも、この条文が入っているかだけは、血眼になって確認してください。

契約書チェックは、AIに任せる

ここまで偉そうに語ってきましたが、私も法律の専門家ではありません。
素人が分厚い契約書の隅々までチェックして、落とし穴を見つけるのは不可能です。

だったらAIを使えば良いんです。
契約書の写真をスマホで撮り、ChatGPTなどのAIに以下のプロンプト(指示文)と一緒に投げ込むだけです。これで自分では気づけない「不利な条項」を洗い出してくれます。

以下の画像は、ハウスメーカーとの工事請負契約書です。
私は施主(顧客)として、この契約書が一般的な注文住宅の契約書と比べて、施主にとって特に不利な条項や、HM側に都合の良いグレーゾーンな規定がないか、専門家の視点で突っ込んで分析してほしい。

以下の点について、「第○条:〇〇」という形式で指摘し、施主がHMに確認・交渉すべき具体的な助言を簡潔に示してください。
1、契約解除(ローン不承認時)に関する条項の厳しさ。
2、HM側の工事遅延に対する損害賠償(遅延損害金)が、不当に低く設定されていないか。
3、引渡し後の不具合(契約不適合責任)について、施主の権利(期間や請求内容)が法律より制限されていないか。

契約は、ハウスメーカーと戦うためのものではなく、安心して家づくりを進めるための「握手」のようなものです。
不安要素をすべて潰して、晴れやかな気持ちでハンコを押しましょう。

今後はもっと細かいオススメの仕様などを話していこうと思います。
気密のこと、遮熱のこと、床材、外壁材、もういくらでもあります。

注文住宅って大変です。。。

 

シュアお願いします!

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